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セキュリティ・コンプライアンス読了 142026-05-21

AIハルシネーションとは——中小企業の社長が業務で嘘の回答を踏まないための3つの確認手順

「ai ハルシネーション」で検索する読者に向けて、AIハルシネーションとは——中小企業の社長が業務で嘘の回答を踏まないための3つの確認手順を切り口に、実務で確認すべき使い方・注意点・導入判断を整理します。中小企業で無理なく試すための論点も解説します。

「ai ハルシネーション」で検索している人が知りたいのは、単語の定義だけではなく、自社で使える業務、避けるべきリスク、導入順序です。この記事では、AIハルシネーションとは——中小企業の社長が業務で嘘の回答を踏まないための3つの確認手順を切り口に、中小企業が実務で確認すべき判断材料を整理します。

1. AIハルシネーションとは——AIが嘘の回答を出す現象の正体

AIハルシネーションとは、ChatGPTやGeminiのような文章をつくるAIが、事実ではない内容を、まるで本当のことのように堂々と回答してしまう現象のことです。日本語では「もっともらしい嘘」「AIの幻覚」と呼ばれることもありますが、本記事ではわかりやすく「AIが嘘の回答を出す現象」と呼びます。

困ったことに、AIは自分が嘘をついているという自覚がありません。「分かりません」と答えればいい場面でも、知らないことを知っているふりをして、それらしい文章を組み立てて返してきます。回答の見た目が自然で、文章として整っているため、読み手は嘘だと気づきにくいのです。

総務省の2026年の調査によると、従業員100名以下の会社で生成AIを使ったことがあると答えた割合はおよそ35%まで広がりました。一方で、業務に定着していると答えた会社は10%程度にとどまります。普及はしているけれど、安心して使い切れていない。その背景には、この「AIが嘘の回答を出す現象」をどう扱うかが定まっていない、という問題があります。

出典:総務省 情報通信白書(2026年版)クラウドサイン「AIのハルシネーションとは——中小企業が知っておくべきリスクと3つの実務的対策」KDDI法人向け「ハルシネーションとは——生成AIの誤情報リスクとその回避術」
次の章2. 業務で実際に起きた嘘の回答——中小企業が遭遇しやすい4つの場面

2. 業務で実際に起きた嘘の回答——中小企業が遭遇しやすい4つの場面

AIハルシネーション、つまりAIが嘘の回答を出す現象は、中小企業の現場でも珍しい話ではなくなりました。とくに起こりやすい場面は、競合や市場の調査、社内会議の資料づくり、商談や打ち合わせの議事録づくり、商品名や型番の問い合わせ対応、の4つです。

競合分析で架空の会社や売上が出てくる

「うちの業界の同規模の競合5社を挙げてください」「その会社の年商を教えてください」とAIに聞いたとき、実在しない会社名が並ぶ、あるいは実在はするけれど売上の数字が架空、ということがしばしば起きます。AIは「この業界には○○のような会社があるはず」という確率的な推測で文章を組み立てているため、実在性の保証は最初からありません。これを鵜呑みにして社内資料に転記すると、議論そのものが空想の上で進んでしまいます。

社内資料の統計データが実在しない

市場規模、業界平均、ある調査結果の数字。これをAIに聞くと、それらしい数値と、それらしい出典名(「○○研究所2025年調査」など)がセットで返ってきます。ところが、その調査自体が存在しなかった、というケースが少なくありません。資料の説得力を出すために数字を入れたつもりが、その数字が架空、というのは経営判断の場でもっとも避けたい事故です。

商談や会議の議事録に話していない発言が混ざる

文字起こしや録音データをAIに渡して「議事録にまとめてください」と頼むと、要約は早いのですが、ときどき、参加者が話していない内容が混ざります。話の流れから「こう言っただろう」と推測した部分を、確定情報のように書いてしまうのです。これを後日メールで配布したら、「私はそんなこと言っていない」と取引先や社員から指摘される事故につながります。

商品名・型番・サービス名が実在しない

「うちの業務に合うソフトを教えてください」「この用途に使える機械の型番を教えてください」と聞いたとき、もっともらしい商品名がスラスラ出てきますが、調べてみると存在しない、というパターンも目立ちます。サービス名は本当にあるけれど、価格や仕様が古い・実態と違う、というケースもあります。発注書や提案書にそのまま転記してしまうと、取引相手から信用を失います。

出典:パーソルビジネスデザイン「ハルシネーションとは——DX担当者が知るべき生成AIの嘘と対策」エクサ「生成AIを効果的に使いこなすために——ハルシネーションのメカニズムと付き合い方」
次の章3. なぜAIは平然と嘘をつくのか——文章をつくるAIの仕組みを社長向けに

3. なぜAIは平然と嘘をつくのか——文章をつくるAIの仕組みを社長向けに

AIが嘘の回答を平然と出してしまう理由は、文章をつくるAIの仕組みそのものに原因があります。ChatGPTやGeminiのようなAIは、人間が事実を調べてから答えているわけではなく、過去の膨大な文章を学習したうえで、「次に来る確率の高い言葉」を一語ずつ並べているだけ、と理解するのが近道です。

文章を「事実かどうか」で組み立てているのではなく、「次にどの言葉が来やすいか」で組み立てている。だから知らない話題でも、確率の高そうな言葉を並べてそれらしい文章をつくれてしまう。これがハルシネーション、つまり嘘の回答が出る根本的な原因です。

「分かりません」と答えるのが苦手

人間は知らないことを聞かれたら、「ちょっと調べてから返事します」と一度持ち帰ることができます。一方、文章をつくるAIは、その場で何かを返すように設計されているため、知らない領域の質問にも、それらしい言葉を組み立てて回答してしまいます。「分かりません」と答えるよりも、「分かったふりをして答える」ほうが自然な動作になっている、と考えるとイメージが近いです。

賢いAIほど嘘が減るわけではない

「最新の有料モデルなら嘘の回答は出ないだろう」と思いがちですが、実態は少し違います。米国の調査会社の2026年のレポートによると、ChatGPTの初期のGPT-4は嘘の回答の出現率がおよそ28%、改良版のGPT-4 Turboで約19%、最新のGPT-4oでは簡単なタスクなら約1.5%まで下がっています。

ところが、難しい推論を売りにした新しいモデル(OpenAIの「o3」と呼ばれるもの)では、人物に関する質問で嘘の回答の出現率が33%にのぼり、ひとつ前のモデルの倍になった、という測定結果もあります。賢く考える方向に磨かれたAIほど、知らないことを推測で埋めようとして、かえって嘘の回答が増える、という逆転が起きるのです。

つまり、料金プランを上げれば安心、新しいモデルに替えれば安心、という単純な話ではありません。どのAIを使っても、業務に出す前の確認のしかたを決めておく必要があります。

Web検索をオンにすれば安心、でもない

「ChatGPT検索」や「GeminiのWeb検索」、「Perplexity」のように、回答の根拠にネット上の出典をつけてくれる機能も出てきています。これは大きな前進ですが、それでも嘘の回答が完全になくなるわけではありません。最新の測定では、Web検索つきでも、難しい質問の場面では嘘の回答が約30%残るという報告があります。出典のリンクは出るけれど、リンク先のページの中身までは正確に読めていない、という事故もまだ多いのが実情です。

出典:All About AI「AI Hallucination Report 2026」ChatGPT Guide「AI Hallucination Rates: GPT vs Claude vs Gemini」Suprmind「AI Hallucination Rates & Benchmarks in 2026」
次の章4. 嘘を見抜く3つの確認手順——数字・固有名詞・法律

4. 嘘を見抜く3つの確認手順——数字・固有名詞・法律

AIの回答を業務で使う前に、社長や担当者が必ず確認すべきポイントは、数字・固有名詞・法律の3つに集約できます。この3つさえチェックする習慣をつけておけば、AIが嘘の回答を出す現象の事故の大半は防げます。逆に言うと、この3つ以外の部分(文章の言い回しや段落構成)はAIに任せて構いません。

確認手順1:数字は出典を確認する

回答のなかに数字(金額、割合、件数、年月日など)が含まれていたら、まず「この数字の出典はどこですか」と聞き返してください。AIはたいてい、それらしい出典名を提示します。問題はそのあとで、その出典名をGoogleで検索して、本当にその調査やレポートが実在するかどうか、自分の目で確認するのが最低限の手間です。

統計の数字であれば、経済産業省や中小企業庁、業界団体の公式サイトに同じ数値が載っているか確認します。財務に関わる計算であれば、Excelや電卓で簡単な再計算をしてください。AIは足し算引き算でもときどき間違えます。

確認手順2:固有名詞はGoogleで1回検索する

人名、会社名、商品名、書籍名、判例名、論文名。これらの固有名詞が回答に出てきたら、社外に出す前に必ずGoogleで1回検索します。実在しない人物の名前が出ている、似た名前の別人と混同している、商品名は実在するけれど価格や仕様がまったく違う、というケースが頻繁にあります。

検索1回、所要1分。この1分をケチった結果、取引先に「実在しない商品の発注書を送ってしまった」と頭を下げるほうが、よほど時間と信用を失います。

確認手順3:法律・条文は弁護士・税理士・社労士に最終確認

労働基準法、下請法、特定商取引法、薬機法、建築基準法、税法。AIに法律や条文を聞くと、もっともらしい条文番号と内容が返ってきますが、ここはとくに事故が起きやすい領域です。米国では、ChatGPTで判例を調べた弁護士が、AIがつくった架空の判例をそのまま裁判所に提出して制裁を受ける事件が、2026年時点で世界で200件以上、米国だけで140件以上報告されています。中小企業の社長が法律をAIに聞くこと自体は問題ありませんが、回答はあくまで「自分が問題意識を整理するための下書き」として扱い、最終判断は顧問弁護士・税理士・社労士に必ず人の目で確認してもらってください。

社外向けの契約書、就業規則、広告表現、税務申告。これらにAIの回答を直接使うのは、現時点ではリスクが見合いません。

出典:JBpress「生成AIに騙される弁護士がいまだに相次ぐ——裁判に架空の判例を提出した弁護士には制裁金の勧告」Ledge.ai「AIが生成した『架空の判例』を使用した弁護士に1万5,000ドルの制裁金」MIT Tech Review「AI幻覚、法廷にも——知的労働の最高峰がなぜ騙されるのか」
次の章5. 業務を「間違いを許容する」「許容しない」で線引きする

5. 業務を「間違いを許容する」「許容しない」で線引きする

AIの嘘の回答事故を防ぐうえで、もっとも効くのが業務の線引きです。すべての業務でAIの回答を疑い続けるのは現実的ではないので、「ある程度の間違いを許容してよい業務」と「間違いを許容できない業務」を最初に分けてしまうのが、社長の役割になります。

下の表は、中小企業の現場でよく使われる業務を、許容/不許容で分類したものです。あくまで目安なので、自社の事情に合わせて微調整してください。

業務の種類許容/不許容理由とAIの使い方
メール文の下書き許容人が読み直してから送る前提なら可。固有名詞だけ要確認
議事録の要約のたたき台許容参加者が中身を確認してから配布する前提。発言の捏造に注意
提案書・企画書のたたき台許容数字と固有名詞だけ確認すれば、構成を考える時間を大幅短縮できる
競合・市場の下調べ許容(ただし要確認)出てきた会社名・数字は必ずGoogle検索で実在確認
社内向けのブレスト許容アイデアの叩き台。事実関係を社外に出す前は必ず確認
顧客への送付物(メール本文)不許容(そのままは)必ず人が読み直し、固有名詞と金額を再チェック
契約書の本文・条項不許容顧問弁護士の確認なしに社外に出さない
財務・税務の数字、申告書不許容税理士の確認、Excel再計算を必ず
労務・法律の判断不許容社労士・弁護士の確認なしに社内通達に使わない
医療・薬機法に関わる広告表現不許容行政指導リスクが直結。専門家の確認必須

業種別の事故シナリオ

業種ごとに「ハルシネーションで何が起きうるか」を具体的に想像しておくと、社内で線引きを決めるときの説得材料になります。

飲食店なら、AIに仕入れ価格の相場を聞いて、出てきた数字をもとに発注したら、相場と大きく違っていた、というシナリオがあります。工務店なら、建築基準法の解釈をAIに聞いて、間違った条文を信じて工事を進めたら、後で違法工事だったと判明する、という事故が起こりえます。美容室や治療院なら、ホームページの広告文をAIに書かせて、薬機法に触れる表現がそのまま掲載され、行政指導を受ける。士業の事務所なら、米国の弁護士事例の通り、AIが捏造した判例や条文を顧客資料に転記してしまう。

どれも、確認手順を決めていれば防げる事故です。

出典:米国特許情報「米国弁護士のAI誤用事例に学ぶ——知財プロフェッショナルとしての生成AI検証への姿勢」神奈川県弁護士会「生成AIと弁護士業務(2025年5月現在)」
次の章6. 嘘を減らすAIの使い方——プロンプトとモデル選びの3つの工夫

6. 嘘を減らすAIの使い方——プロンプトとモデル選びの3つの工夫

業務に出す前の確認に加えて、AIに質問するときの聞き方と、使うAIの選び方を少し工夫するだけで、嘘の回答そのものを減らすことができます。難しい技術知識は不要で、社長と社員の習慣の問題です。

工夫1:「分からないと答えてください」を質問に必ず入れる

質問文の最後に、「分からないことは分からないと答えてください。推測で答えないでください」と1行つけ加えるだけで、嘘の回答の頻度はそれなりに下がります。AIはもともと「何か返さないといけない」というふるまいに寄っているため、「分からなくていい」と明示的に許可してあげると、知らない領域で無理に答えるのを止めてくれることがあります。あわせて「出典のURLを必ず提示してください」と入れておくと、根拠を意識して答えるようになります。

工夫2:Web検索機能をオンにする

ChatGPTには「ChatGPT検索」、GeminiにはGeminiの検索、Perplexityはそもそも検索を前提にしたAIです。これらを使うと、AIがネット上の情報を検索してから答えるため、出典のリンクが回答に添えられます。完璧ではありませんが、出典のないAIに比べれば嘘の回答が出る確率は下がります。最新情報、企業情報、製品スペックを聞く場面では、必ず検索機能をオンにするのが基本です。

工夫3:複数のAIに同じ質問をしてクロスチェックする

無料でできる強力な工夫が、同じ質問を ChatGPTGeminiClaude の3つに投げて、回答を見比べることです。3社中2社で同じ内容が出てくれば、その情報は比較的信頼してよい。逆に1社だけ異なる回答を出していれば、それは嘘の回答である可能性が高い。Geminiは検索に強く、Claudeは長文の整理が落ち着いていて、ChatGPTは文章の自然さに強みがあります。3社それぞれに無料版があるので、重要な質問は3社にきく癖をつけてください。

出典:Hakky Handbook「ChatGPTハルシネーション対策——プロンプトとWeb検索で精度向上」MiraLabAI「ChatGPTのハルシネーションとは——嘘をつかせない方法と対策」ASCII「AIは時々、もっともらしいウソをつく——ハルシネーションを見破りファクトチェックする4つの方法」
次の章7. 社内で決めておく5つのルール——社長が今日できる体制づくり

7. 社内で決めておく5つのルール——社長が今日できる体制づくり

ここまで読んで「うちでも何か決めたほうがよさそうだ」と感じたら、社長が今日のうちに決められる5つのルールがあります。長文のガイドラインを整える必要はなく、A4一枚に書いて掲示するだけでも十分機能します。

  1. 社外に出す文章は、AI回答をそのままコピーせず、必ず人が読み直してから出す。とくに固有名詞と数字は1分かけて確認する。
  2. AIに入れていい情報と、入れてはいけない情報を1枚にまとめる。顧客名、契約金額、人事評価、未公開の業績数値などは原則入れない。
  3. AIに聞いた回答を社内で共有するときは、「これはAIに聞いた回答です」と一言添える。事実情報と区別する文化を残す。
  4. 法律、財務、顧客対応の3領域は、AIの回答を最終判断に使わない。必ず人が、必要なら専門家が、最後に決める。
  5. 月に1回、15分でいいので「AI使用ヒヤリハット会議」を開く。社員から「危なかった事例」を集め、ルールを微調整していく。

このうちの1〜2つでも先に始めれば、半年後の事故の数は確実に減ります。完璧なルールづくりを目指す前に、まず動かしてしまうほうが現実的です。

出典:経済産業省「AI事業者ガイドライン関連ページ」ラクタノ「経産省・総務省のAI事業者ガイドライン第2.0版——中小企業が今すぐやるべき3つの対策」
次の章8. まとめ——3つの確認手順と業務線引きを社内の標準にする

8. まとめ——3つの確認手順と業務線引きを社内の標準にする

AIハルシネーション、つまりAIが嘘の回答を平然と出す現象は、AIを業務に使う以上、完全にゼロにはできません。だからこそ、業務に出す前の確認手順と、業務の線引きを最初に決めておくことが、社長の仕事になります。

  1. 数字は出典を確認する。Excelや電卓で再計算する。
  2. 人名・会社名・商品名・判例などの固有名詞は、Google検索1回で実在確認する。
  3. 法律・条文・税務は、AI回答を下書きとして扱い、最終判断は弁護士・税理士・社労士に持ち込む。

このうえで、業務を「間違いを許容してよいもの(下書き・要約・ブレスト)」と「許容できないもの(契約書本文・財務数字・顧客送付物・法律判断・医療広告)」に線引きする。社内では、社外向け文章のチェック担当、入れていい情報の範囲、人の最終判断の領域、月1のヒヤリハット会議、の5つだけでも先に決めてしまえば、AIが嘘の回答を出す現象による事故は、半年でほぼ半減します。

AIは魔法の杖ではなく、確率で次の言葉を選んでいるだけの道具です。その道具のクセを理解したうえで、人がチェックする工程を残しておく。これが、ITスキルの高い低いに関係なく、すべての中小企業が今日から取れる現実的な対策です。

なお、AIを社内で本格的に使い始めるにあたっての社内ルールや、AI事業者ガイドラインへの対応については、中小企業がAI事業者ガイドライン1.2版に対応するなら利用者の立場で3ステップ、ChatGPTを業務でどう使うかについては、中小企業のChatGPT業務活用、顧客の個人情報をAIに入れる際の判断軸については、中小企業のAIと個人情報保護法対応も、あわせてご参照ください。

FULLFACTでは、AI活用にあたっての業務の棚卸し、社内ルールづくり、ヒヤリハットの仕組み化までを、貴社の状況に合わせて伴走しています。軽い課題なら数週間で論点が整理でき、構造的な見直しが必要なら腰を据えて磨き込みます。スコープと進め方は貴社のペースで設計いたします。

次の章よくある質問

よくある質問

AIハルシネーションは、有料版にすれば起きなくなりますか?

有料版でも起きます。たしかにGPT-4oやClaudeの最新版は、初期のGPT-4にくらべて嘘の回答の出現率は下がっていますが、ゼロにはなりません。難しい質問や、知らないことを聞かれた場面では、有料版でも自信満々に嘘の回答を出してきます。料金で安心を買うのではなく、確認のしかたを決めるほうが現実的です。

ChatGPT・Gemini・Claudeのうち、嘘が一番少ないのはどれですか?

場面によって変わります。一般的には、簡単な要約や下書きでは差はほとんどありません。最新情報を聞く場面ではWeb検索を備えたGeminiやChatGPT検索が比較的強く、長い文章を整理させる場面ではClaudeが落ち着いた回答を返す傾向があります。ただし、どのAIも嘘の回答をゼロにはできないため、3社のうち2社にきいて答え合わせをするのが、いちばん事故が少ない使い方です。

AIに法律相談をしても大丈夫ですか?

草案づくりまでは使えますが、最終判断は人がやってください。米国では、ChatGPTで判例を調べた弁護士が、AIがつくった架空の判例をそのまま裁判所に提出して制裁を受ける事件が、2026年時点で世界で200件以上起きています。中小企業の社長が法律をAIに聞く場合は、回答を「下書き」として顧問弁護士・税理士・社労士に持ち込み、人の目で条文を確認してもらうのが安全な使い方です。

社員がAIの嘘の回答をそのまま顧客に送ってしまったら、どう対応すべきですか?

まず事実関係を確認し、すぐに訂正の連絡を入れます。AIに聞いて出てきた数字や固有名詞をそのまま社外に出してしまった事故では、放置すると信用問題に発展するため、気づいた時点で訂正したほうが結果的に被害が小さくなります。そのうえで、再発防止として「社外に出す文章はAIの回答そのままを使わない」というルールを社内で1行にまとめて共有してください。

ハルシネーションは将来なくなりますか?

短期的にはなくならない、というのが現時点の専門家の見方です。AIが文章をつくる仕組み自体が、確率の高い言葉を次々と並べていく構造のため、「知らないことを知らないと言えない」という性質はモデルが進化しても残ります。Web検索を使う、出典を必ず出させる、人が最後に確認する、という運用側の工夫で事故を減らすしかない、というのが2026年時点の現実です。

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