AIで提案書を作る方法——構成・本文・デザインの順番
「ai 提案書」で検索する読者に向けて、AIで提案書を作る方法——構成・本文・デザインの順番を切り口に、実務で確認すべき使い方・注意点・導入判断を整理します。中小企業で無理なく試すための論点も解説します。
「ai 提案書」で検索している人が知りたいのは、単語の定義だけではなく、自社で使える業務、避けるべきリスク、導入順序です。この記事では、AIで提案書を作る方法——構成・本文・デザインの順番を切り口に、中小企業が実務で確認すべき判断材料を整理します。
1. 提案書づくりに半日かかる正体——どこで時間が溶けているか
中小企業の営業担当者が提案書1本に費やす時間は、業界の調査でおおむね8〜16時間と報告されています。日本生産性本部の調べでは、ナレッジワーカーの業務時間のうち約25%が文書作成に費やされており、その大半が提案書・報告書・議事録の3点に集中しています。月に提案書を3本書く営業担当なら、それだけで月24〜48時間、年間で換算すると300〜600時間が文書作成に消えていることになります。
スマートスライド社の営業現場調査では、営業1人あたりの資料作成時間は年間で619時間、人件費換算でおよそ167万円に達するとの推計も出ています。これは中小企業の営業部門にとって人件費の隠れた1割を占める規模で、見過ごせるコストではありません。
時間が溶けるポイントは大きく3つあります。1つ目は「構成をゼロから考える時間」で、何をどの順に書くかを決めるだけで1〜2時間がかかります。2つ目は「本文を書きながら言い回しを直す時間」で、これがいちばん長く2〜4時間。3つ目は「図表とスライドを整える時間」で、見た目を作るのに1〜3時間が必要です。本記事で扱う3工程はこの3つの時間ブロックをそれぞれ別の AI ツールに分担させるアプローチです。
出典:AI窓口「提案書・報告書をAIで半自動化|作成時間50%削減の実践ガイド」(日本生産性本部調査の引用部分含む)/スマートスライド「営業現場における業務実態調査2021」。2. 3時間短縮する全体フロー——構成→本文→図表の工程分担
提案書づくりを3時間に収める鍵は、工程を「構成案30分/本文ブラッシュアップ45分/図表とスライド化45分/競合下調べ20分/読み返しと仕上げ40分」の5ブロックに分け、それぞれ得意な AI ツールに任せることです。1つの AI ですべてを賄うより、工程ごとに得意な道具を切り替えたほうが、結果としてアウトプットの品質も時間効率も上がります。
工程ごとに使うツールを変える理由は、それぞれ得意分野がはっきり違うからです。ChatGPT は構成の骨格を作るのが速く、Claude は2,000〜4,000字の長文を整える文章の安定感が高く、Canva AI と Gamma はスライドと図表をブラウザ上で直接組み立てられます。Gemini は Google 検索と接続されているため、競合企業の最新動向や市場規模の数字を取りに行く工程に向いています。
ツール組み合わせの早見表
| 工程 | 担当ツール | 月額目安 | 主な作業 |
|---|---|---|---|
| 構成案 | ChatGPT(無料 or Plus) | 0円 〜 月20ドル | 提案の骨格、章立て、ヒアリング項目案 |
| 本文ブラッシュアップ | Claude(無料 or Pro) | 0円 〜 月20ドル | 本文の整文、論理展開の補強、長文の整え |
| 競合下調べ | Gemini(無料) | 0円 | 最新動向、業界統計、競合の取り組み確認 |
| 図表とスライド | Canva / Gamma | 0円 〜 月1,500円 | 図解、グラフ、スライド10〜20枚の自動生成 |
| 機密情報入り(任意) | ChatGPT Business / Microsoft 365 Copilot | 年契約で月20ドル/人 〜 | 顧客名・契約金額を扱う場面 |
無料版だけで本記事の3工程はおおむね回せますが、月に提案書を5本以上書く営業担当者は、ChatGPT Plus と Canva Pro の合計で月3,500円ほど投資する判断が現実的です。投資回収は1本目の時短ですでに済む計算になります。
出典:マネーフォワード クラウド「ChatGPT・Gemini・Claudeの特徴を徹底比較!」/Canva 公式「スライド作成AI」。3. 工程1 構成案づくり——ChatGPTで30分で骨格を出す
最初の工程は提案書の骨格づくりで、ここに ChatGPT を使います。要件を3〜5行で書いて1回質問を投げるだけで、章立てと各章の論点案が30秒ほどで返ってきます。これまで1〜2時間かけてホワイトボードに書き出していた作業が、ほぼ瞬時に下書きとして手に入ります。
ChatGPT に提案書の構成を頼むときの最低条件は、「相手の業種・規模」「提案する内容のテーマ」「提案書の用途(初回提案か、見積後の詳細提案か)」の3点を明示することです。これを書かずに「製造業向けの提案書を作って」と頼むと、教科書的で当たり障りのない章立てしか返ってきません。
ChatGPTで構成案を作る質問例
下の質問文をコピーして、自社の状況に合わせて括弧の中だけ書き換えれば、その場で使えます。
あなたは中小企業向けの法人営業に20年携わるベテラン営業担当者です。
以下の条件で、提案書の章立て構成案を作ってください。
【提案先】
- 業種:(例:金属加工業)
- 規模:(例:従業員30名、年商8億円)
- 課題:(例:見積作成に毎月50時間かかっており、若手の育成も追いついていない)
【こちらの提案内容】
- テーマ:(例:見積作成の AI 自動化と、若手向けの作業手順書整備)
- 提案フェーズ:(例:初回提案、商談2回目)
【希望する構成】
- A4で4〜6枚相当
- 章は5〜7章
- 各章に「この章で伝えたい結論」を1文添える
- 最終章に「次回までの宿題」を入れる
章立てを箇条書きで出してください。
返ってきた章立てをそのまま採用する必要はなく、納得いかない章だけ「3章をもっと現場のオペレーションに寄せて書き直して」と追い質問すれば、その章だけ別案が返ってきます。3〜4回のやり取りで、自分の頭の中で考えていたものよりむしろ深い骨格が手に入ることが多く、ここが ChatGPT のいちばん効く場面です。
章立てが固まったら「各章の論点」も出させる
骨格が決まったら、もう1回 ChatGPT に「3章の論点を3〜5個、固有名詞や数字込みで出してください」と頼みます。論点リストが先に手に入ると、次の工程の本文執筆が圧倒的に速く進みます。論点を作らずに本文に入ると、書きながら筋道を考え直すことになり、結局時間が膨らみます。
出典:Uravation「2026年最新 営業AI業務活用プロンプト30選」/MiraLabAI「ChatGPT で営業資料作成や提案書作成をする方法とプロンプト」。4. 工程2 本文ブラッシュアップ——Claudeで45分で整える
骨格と論点が手に入ったら、次は本文を Claude に書かせて整えます。Claude は ChatGPT と同じ「文章を書く AI」ですが、2,000〜4,000字の長文をひとかたまりで安定して書ける、論理展開が崩れにくい、固有名詞や数字を最後まで覚えていてくれる、という3つの点で本文工程に向いています。
ChatGPT で作った章立てと論点を Claude に貼り付け、「この章立てと論点を元に、本文をです・ます調で書いてください」と頼むだけで、A4で4枚相当の本文が10分前後で返ってきます。ChatGPT に同じことを頼むと、章ごとにバラバラに書く必要が出てきがちですが、Claude は1回の質問で通しで書き切ってくれる確率が高いのが特徴です。
Claudeで本文を整える質問例
以下の章立てと論点を元に、中小企業向けの提案書本文を書いてください。
【章立てと論点】
(ChatGPT の出力をそのまま貼る)
【トーン】
- です・ます調、落ち着いた専門家の声
- 専門用語は最初に出てきた場所で日常語に翻訳
- 1章あたり300〜500字
- 太字や箇条書きは使わず、流れる文章で書く
【入れてほしい要素】
- 各章の結論を冒頭1〜2文で言い切る
- 数字を入れるときは出典名も一緒に書く(後で人間が裏取りする目印)
- 最終章に「次回までに準備していただきたい3点」を入れる
通しで本文を書いてください。
Claude が書いた本文は、そのままでは固有名詞や数字の裏取りが済んでいない状態です。「ここに統計が必要」「ここに事例が必要」と Claude が空欄を残してくれた場所は、次の工程で Gemini を使って埋めにいきます。空欄を残してくれる挙動は Claude のほうが ChatGPT より素直で、ハルシネーション混入のリスクを抑えられる側面があります。
Claudeで本文の言い回しだけ直したいとき
本文の骨子は気に入ったが言い回しだけ固いという場合、Claude に「次の本文を、もう少し中小企業の社長が読みやすい口調に直してください。意味は変えないでください」と頼むと、論理を保ったまま語尾と接続詞だけ整え直してくれます。ChatGPT で同じことをすると意味が変わってしまうことがあり、Claude のほうが安全です。
出典:SHIFT AI「ChatGPT・Gemini・Claudeを徹底比較!性能や料金の違いを解説」/ドヤマーケ「2026年最新 AI記事作成ツール徹底比較」。5. 工程3 図表とスライド化——Canva AIとGammaで45分
本文が固まったら、図表とスライドの工程に入ります。ここは Canva AI と Gamma の2つを場面で使い分けるのが効率的です。Canva AI はチラシやポスターのような1枚物の図表に強く、Gamma はスライド10〜20枚を一気に自動生成するのに向いています。両方とも無料版で本記事の用途は十分にカバーできます。
Gammaでスライド全体を一気に作る
Gamma を開いて「新しいプレゼンを作成」を選び、テキストボックスに Claude で作った本文をそのまま貼り付け、「このテキストをもとに10〜15枚のスライドに分けてください」と指示すると、1〜2分でスライド資料が組み上がります。色合いやフォントもプロが作ったような体裁で出てきます。これまでパワーポイントで1〜3時間かけていたスライド組みが、ほぼ瞬時に終わります。
Gamma の出力はそのままでも提案書として通用しますが、社名ロゴやコーポレートカラーは自社用に差し替える必要があります。Gamma 上で直接編集できますし、PowerPoint や PDF に書き出して Microsoft Office や Google スライドで仕上げるのも自由です。
Canva AIで図表を1枚ずつ作る
提案書の中の「現状の業務フロー図」「ビフォーアフター比較」「導入ステップ図」のような図表は、Canva AI の「マジック変換」機能で文章から自動生成できます。Canva を開いて「マジックスタジオ」から「マジックデザイン」を選び、図にしたい内容を3〜4行の文章で書いて送るだけで、複数の図表候補が並びます。
Gamma が「スライド全体の自動生成」、Canva AI が「個別の図表の自動生成」と覚えると役割が整理しやすいです。提案書の中身がスライド主体なら Gamma 中心、文書ベース(Word や PDF)の提案書なら Canva AI 中心で図だけ作って Word に貼る運用が自然です。
図表のクオリティで気をつける1点
AI が作った図表は見た目はきれいですが、矢印の向きや要素の対応関係が論理的に正しいかは人間が確認する必要があります。特にプロセスフロー図やステップ図は、AI が「それっぽい順序」で並べているだけで、業務の現場とずれていることがあります。図表ができたら、必ず現場の担当者と一緒に5〜10分かけて読み合わせをしてから提案書に組み込むのが安全です。
出典:Canva 公式「スライド作成AI」/ジャイロ総合コンサルティング「AIスライド Gamma 使い方完全ガイド」。6. 補助工程 競合と市場の下調べ——Geminiで20分
本文と図表が固まる前後の20分を使って、競合動向と市場規模を Gemini で調べておきます。Gemini を提案書工程に組み込む理由は、Google 検索と接続されているため、ChatGPT や Claude より新しい情報が取れるからです。提案書に「業界の最新動向」「競合の最近の取り組み」「市場規模の数字」が1〜2個入っているだけで、提案の説得力が一段上がります。
Geminiで競合動向を調べる質問例
あなたは中小企業向けの市場リサーチャーです。
次の条件で、競合と市場動向を調べてください。
【調べる業界】
- 業種:(例:金属加工業)
- 地域:(例:愛知県の中小規模)
【知りたいこと】
- 直近1年で目立った業界の動き3つ(出典URLつき)
- 同規模競合3〜5社の最近の取り組み(公式サイトかニュース)
- 業界全体の市場規模と直近3年の推移(出典つき)
事実だけ書き、推測は避けてください。
出典URLを必ず添えてください。
Gemini は出典 URL を必ず添えるよう頼めば、自動でリンクを並べてくれます。返ってきた URL は1つずつ開いて中身を確認し、本当に書いてある内容と Gemini の要約が一致しているか3〜5分かけてチェックします。ここを省くと、提案書に誤った数字が混入する典型的な事故が起きます。
数字と固有名詞は必ず一次資料で裏取りする
AI が出してきた数字(市場規模○億円、シェア○%、成長率○%)は、提案書に貼る前に必ず一次資料で裏取りしてください。Gemini の出典 URL を開き、その数字が本当に書かれている場所を目で確認します。確認できない数字は「業界調査によると○○程度」のような曖昧表現に変えるか、提案書から落とすのが安全です。これは AI を業務に組み込むときの最低限のルールで、本記事の3工程でもいちばん重要な人間の判断ポイントです。
出典:マネーフォワード クラウド「ChatGPT・Gemini・Claudeの特徴を徹底比較!」。7. 営業現場で年間100時間削減した使い方——A4で4枚の提案書1本の実例
ある中小企業のITソリューション販売の営業担当者が、月8本の提案書を本記事と同じ3工程で書く運用に切り替えたところ、1本あたりの作成時間が平均7時間から3時間半に縮み、月で28時間、年間で336時間の時短に到達した実例があります。これは年間の労働時間で換算すると、営業担当者1人分の業務量の約15%を取り戻した計算になります。
業界の調査でも、AI を提案書作成に組み込んだ営業担当者は、文書作成時間を平均35%削減できているとの報告が出ており、本記事の3工程はこの水準を上回るペースの時短設計です。生成 AI を毎日活用する営業職の割合は2024年の4.5%から2025年に18%へと急増しており、今後さらに「使っていない営業担当者だけが半日かけて提案書を書く」状況になっていくと見込まれます。
1本目に8時間、2本目に4時間、3本目から3時間の体感曲線
実例の営業担当者の感覚で言うと、3工程を初めて回した1本目はツール操作の慣れに時間がかかり、合計で8時間近くかかりました。2本目で4時間、3本目以降は3時間前後で安定しています。これは中小企業の経営者や営業担当者がこの仕組みを導入するときの現実的な学習曲線として参考になります。最初の1本は「研修日」と割り切って、半日確保するのが安全です。
提案書のテンプレ化が次の時短を生む
3本目以降の時短をもう一段進めるには、3工程それぞれの質問文を自社専用に書き換えて保存しておくのが効きます。ChatGPT には「カスタム指示」、Claude には「Project」、Canva には「ブランドキット」と、それぞれ自社の情報を覚えさせる仕組みがあるので、これらを使って業界・自社サービス・トーンを固定すると、4本目以降は2時間半まで縮みます。
出典:Alright「ChatGPT 5分で営業文書35%効率化!提案書作成プロンプト5選」/0120「営業職のChatGPT活用法完全ガイド2026年版」。8. 機密情報と顧客名を入れないルール——3つの線引き
AI で提案書を作る運用に進むときの最大のつまずきは、提案先の顧客情報をうっかり AI に入れてしまうことです。無料版の ChatGPT・Claude・Gemini は、入力された会話がモデルの学習に使われる可能性があるため、顧客の固有情報を入れると外部に漏れるリスクがあります。本記事の3工程を安全に運用するには、次の3つの線引きを最初に決めておきます。
1つ目の線引きは「正式社名と個人名は入れない」です。提案先の社名は「A 社」「製造業の B 社」「年商10億円規模の C 社」のように仮称に置き換えます。担当者名は「ご担当者様」「先方の部長」で十分に提案書は組み立てられます。AI に固有名詞を覚えさせる必要はありません。
2つ目の線引きは「契約金額と価格交渉の内容は入れない」です。「予算300万円程度」「相場の中央値」のような業界一般の数字で置き換えれば、AI は十分に提案を作れます。具体的な見積金額や値引き条件のような社外秘の数字は、提案書の最終仕上げ段階で人間が手作業で差し込む運用にします。
3つ目の線引きは「無料版は『データコントロール』設定を必ずオフにする」です。ChatGPT・Claude・Gemini はそれぞれ設定画面に、会話を学習に使わない選択肢があります。最初に1回だけ設定すれば、その後は自動でオフのまま運用できます。会社で使うアカウントは全員この設定を済ませてから業務利用を開始するルールにします。
この3つの線引きを守れば、無料版でも本記事の3工程は安全に回せます。本気で顧客固有情報を扱う段階に進むときに初めて、ChatGPT Business や Microsoft 365 Copilot のような学習されない有料プランへの切り替えを検討すれば十分です。詳しい設定手順は別記事「ChatGPT に機密情報を入れた社員がいたら」で順を追って書いています。
出典:OpenAI ヘルプ「Data Controls FAQ」。9. 今日から始める7日間の手順
本記事の3工程を自分の業務に組み込むには、7日間で段階的に試すのが現実的です。いきなり全工程を完璧に回そうとせず、1日1工程ずつ手を動かして体感を作るのが定着への近道になります。
1日目は ChatGPT のアカウントを無料で作り、本記事 §3 の質問例をコピペして1回投げてみます。15分あれば終わります。返ってきた章立てが自分の業務に近いかを確認して、感覚をつかみます。2日目は Claude のアカウントを無料で作り、1日目に出た章立てを貼って §4 の質問例を投げます。本文が10分で返ってくる体感をここで掴みます。
3日目は Gemini を開いて §6 の質問例で競合下調べを試し、出てきた数字を1〜2個 Google で裏取りします。4日目は Canva AI と Gamma を開き、それぞれ §5 の手順で図表とスライドを1枚ずつ作ってみます。ここまでで各ツールの感触が一通り掴めています。
5日目から7日目は、実際の商談で必要な提案書を1本、本記事の3工程をフルに使って作ります。1本目は4〜5時間かかりますが、これが「研修日」になります。2本目以降は半日かけずに済みます。3本目以降は3時間前後で安定し、それ以降は質問文のテンプレ化で時間が縮みます。
社員に教える場合は、本記事の3工程を1日30分の社内勉強会で順に追えば、ITに弱い社員でも1週間で全員が自走できる状態に持っていけます。社長一人が覚えて社員に教えるか、最初から社員と一緒に手順を踏むかは、組織規模で判断してください。
10. まとめ——提案書づくりは「書く作業」から「判断する作業」へ
本記事で示した、AI 提案書づくりの3工程と運用のポイントは次の通りです。
- 提案書1本に半日かかる正体は「構成考え/本文書き/図表作り」の3ブロックで、それぞれを ChatGPT・Claude・Canva AI に分担させると合計3時間まで縮む
- 構成案は ChatGPT に業種・規模・テーマの3点を渡して30分、本文ブラッシュアップは Claude に章立てと論点を渡して45分、図表とスライドは Canva AI と Gamma の使い分けで45分
- 競合と市場の下調べは Gemini で20分、ただし数字と固有名詞は必ず一次資料で裏取りする
- 顧客の正式社名・個人名・契約金額は無料版 AI に入れない、3つの線引きを最初に決めてから運用開始
- 7日間の段階導入で1工程ずつ慣らし、3本目以降は3時間前後で安定する。月8本ペースなら年間300時間以上の時短が見込める
提案書づくりは AI の登場で「ゼロから書く作業」から「AI に骨格を作らせ、人間は判断と裏取りと仕上げに集中する作業」に性質が変わりつつあります。中小企業の営業担当者にとって、この変化に乗り遅れない最短ルートが本記事の3工程です。
FULLFACT の業務診断では、提案書づくりを含む営業まわりの業務を AI でどこまで圧縮できるか、現状の業務時間を定量的に棚卸ししたうえで現実的な順序で設計します。スコープと進め方は貴社のペースで。「ChatGPTで業務効率化した中小企業5社の実例」や「ChatGPTを始める3つの手順」と合わせて読むと、提案書以外の業務への展開像も見えてきます。
よくある質問
ChatGPTの無料版だけでも提案書は作れますか?
作れます。構成案づくり、本文の下書き、図表のたたき台までは、ChatGPT無料版だけで一通り回せます。本文ブラッシュアップに Claude 無料版、図表のスライド化に Canva 無料版を加えれば、月額0円でも本記事の3工程はおおむね再現可能です。ただし無料版は会話の内容がモデルの学習に使われる可能性があるため、設定画面の「データコントロール」で学習させない設定にしてから使うのが安全です。顧客名・契約金額・社外秘の戦略を入れる段階に進むなら、月20ドルの ChatGPT Plus か、学習に使われない設定が標準の Business・Enterprise 版に切り替えるのが現実的です。
お客様の社名や数字を入れて質問していいですか?
原則として、無料版・Plus には顧客の正式社名・契約金額・個人名は入れないでください。本記事の手順では「A 社(製造業、年商10億円規模)」「B 様」「予算300万円程度」のように、業種と規模だけ伝える書き方で十分に提案書の中身は作れます。本気で顧客の固有情報を扱う段階に進むなら、入力データが学習に使われない ChatGPT Business(年契約で月20ドル/人、最低2席)か、Microsoft 365 Copilot のようなテナント分離型に切り替えるのが順序として安全です。
Word や PowerPoint の提案書も AI で作れますか?
作れます。本文は ChatGPT や Claude で書いて Word に貼り付け、図表とスライドは Canva AI や Gamma で作って PowerPoint 形式に書き出すのが一番手早い手順です。Microsoft 365 Copilot を契約している場合は Word・PowerPoint の中で直接 AI が動きますが、月額3,750円/人がかかるため、まずは無料の Canva・Gamma の組み合わせから始めて、定型作業の量が増えてから Copilot に乗り換える順序が中小企業には現実的です。
AIに作らせた提案書は、そのまま渡しても大丈夫ですか?
そのまま渡してはいけません。AI が出した数字・統計・他社事例は、もっともらしく見えて誤っていることがあります(業界ではハルシネーションと呼びます)。提案書に載せる数字と固有名詞は、必ず一次資料か公式サイトで裏取りしてから載せてください。本記事の3工程では、各工程の最後に人間が10〜15分かけて読み返す時間を確保しており、ここで誤情報の混入を止める設計になっています。最終的に提案書の中身に責任を持つのは AI ではなく営業担当者本人です。
ITに弱い社長一人でも、この3工程を回せますか?
回せます。本記事の手順は、3つのツールをそれぞれブラウザで開いて、出てきた文章をコピペで次のツールに渡すだけです。ITに特別詳しくない50〜60代の社長でも、最初の1本に半日かけて手順を覚えてしまえば、2本目以降は3時間前後で回せるようになります。難しいのはツール操作ではなく「どこまで AI に任せて、どこから自分で判断するか」の線引きのほうで、そこは §8 と §9 で具体的に書いています。
